WING YOUセミナーの講師をご紹介します。

昨年(2018年)9月にスペインカナリア諸島のテネリフェ島で開催された国際オウム会議に参加しました。その会議で出会った女性2人です。この会議は4年に1回開催され、世界中から愛鳥家、獣医師、ブリーダー、メーカー、研究家など多くの方々が参加されます。今年はアメリカのAAV(鳥類獣医師協会)の年次総会が同時期に開催されたため、獣医師やアメリカからの参加が少なかった印象を受けました。

開催地のテネリフェ島には、オウム会議の主催者であるキースリング氏が創設した世界最大級のバード・パーク「ロロパーク」があります。テネリフェ島はヨーロッパのハワイと言われる事からもわかりますが、ヨーロッパのリゾート地であり観光客の多くがヨーロッパ人です。その中に「アジア系」の人がいると相当目立つわけです。自然と「どこから来ました?」の会話から始まり、お互い何をしているかなど4日間に色々話す機会がありました。
彼女たちの話を聞いていると、日本で同じ様な事をしている人は居ないのでは?と感じ、きっとこういう話しを聞きたい愛鳥家さんは多いだろう、と思いました。帰国後、鳥爺寺子屋でオウム会議の中でも反響の高かった講演内容をお話する機会を頂き、オウム会議での出来事や出会いを思い出しながら考えているうちに「あの話しを直接愛鳥家の皆さんに届けたい」という思いに変わり、出会った彼女たちに日本でのセミナー講師を打診しました。
前置きが長くなりましたが(汗)、記念すべき第一回の講師のお二人です!

Dr. ジェシカ・リー、アシスタント・ディレクター
保護&リサーチ、コンサベーション部門、研究&獣医サービス、
ワイルドライフ・リザーブス・シンガポール

ジュロンバードパーク、シンガポール動物園、ナイトサファリとリバーサファリの4つのワイルドライフパークの管理監督と研究の促進だけでなく、シンガポールの保護基金(WRSCF)を通して国内と東南アジア他の鳥類保護プロジェクトを取り纏めている。鳥に対する情熱が深く、保護活動中心の鳥類学者として経験を積む。特に、生物生態学と絶滅危惧種の環境管理に力を注ぎ、絶滅危惧種のアジアの鳥の保護計画、レスキューセンターのマネージメント、商取引、隠蔽種のゲノム評価などにも関わっている。IUCN SSC アジア・ソングバード・トレード・スペシャリストグループとオナガサイチョウ・ワーキンググループのコーディネーターでもある。


アンジェリン・リム
元ジュロンバードパーク・アシスタント・キュレーター

シンガポールのテマセク・ポリテクニックで獣医学学位取得後、豪州マードック大学で生物科学学位取得。動物看護士として獣医師の外科的手術の補助や術後の患者のケアを担当。ジュロンバードパークでの研修を機に鳥に惚れ込む。研修後にカンムリシロムク、ソデグロムクドリ、ヒムネバトなどの保全種の管理と繁殖に関わるだけでなく、ムクドリ、ハト、キジ、エボシドリの繁殖施設を同園に確立。その後、アシスタント・キュレーターとして鳥類の担当者チームを率い、ペンギンコースト、ウォーターフォールアヴィアリー、パロットパラダイスなどの展示を担当。同園のブリーディング&リサーチセンターの責任者として絶滅危惧種の孵化・育雛を管理。繁殖とオウム類、ハト目、スズメ目、キジ目の育雛が得意分野。ジュロンバードパークを退職後、2019年9月からオールペッツ&アクアライフクリニックマネージャーとしてクリニックの運営管理責任者に就任。プライベートではペットフィッシュ、デジタルアートを楽しみ、エナメルピン創作を趣味とする。