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CAP!の鳥専門店としての位置づけが色濃くなるにつれ、コンパニオンバードの鳴き声、毛引き、発情、自咬症、病気などに関する相談も多くなりました。無料相談の電話は鳴り止む事がなく、スタッフが交代で相談に乗る毎日が続きました。他のペットショップで悲惨な状況で店頭に立たされている鳥さんのレスキュー相談も頻繁に入るようになりました。

幸いにもDream Birdの取引先も順調に増え、優良ブリーダーや著名な鳥獣医師に出会うことが出来ました。これは生体販売をしていたCAP!にとって大変有意義であり、今までの常識や考えを一瞬にして覆してしまうような情報や知識を得ることに繋がりました。
そして、アメリカの優良ブリーダーさんを訪れる中で健康で精神的にも幸せで満たされた鳥たちを見るようになり生体の直輸入について真剣に考えるようになりました。もちろん直輸入には大きな壁がいくつもありましたから、それらを1つ1つクリアする必要がありました。何度も当時の経済通産省に足を運び、書類の書き方、必要な書類の確認、輸入許可書取得などの準備を行いました。
と同時に、ブリーダーさんに予防接種、性別検査、各種病気の検査などをお願いし、出生証明書を作成してもらい、鳥が問題なく輸送に耐えられるように一人餌になってからの発送をお願いしていました。私達が関わったブリーダーさんは皆さん「バードファースト」の方々ばかりでしたから、こちらの要望を理解し快諾してくださいました。

これら手続き、予防接種や性別検査などは利益を追求する企業であれば躊躇する事ばかり。それでもコスト度外視で「コンパニオンバードの幸せのために」出来る限りのことは何でもする松本氏の考えから、どれも外せない物ばかり。スタッフは高いレベルでの技術と責任感を求められましたが、当たり前の事を正しい方法で黙々としていました。私は事務方でしたので、そんな彼らの仕事ぶりを尊敬の眼差しで見ておりました。

直輸入した鳥たちを輸入許可書や出生証明書、予防接種証明書、健康診断書などを付けて販売。 鳥業界の事をよく知らなかった私は、それら書類を付けて生体を販売するのは「当たり前の事」と思い、全ての書類を準備しましたが実際はそうではなかったんですね。 当時の鳥業界に激震が走りました。今までの常識にCAP!と松本氏が真っ向から勝負した瞬間でした。しかしそれを理解してくださる愛鳥家さんも大勢いらっしゃり意識の高いCAP!ファンが増えて行ったのも事実です。

直輸入し販売した鳥たちは「素性」がわかっていますし(笑)、どんな環境で育てられ何を与えられていたのか全て把握出来ています。飼い主さんの元に行っても問題になる鳥は少なく、何かあった場合は直接ブリーダーさんに質問できましたら解決も早かったのを覚えています。
健康で飼い主と強い絆を築く事ができるコンパニオンバードは正しい育雛・飼養により可能であることが自信を持って伝えられるようになりましたが、日々増える健康相談や問題行動相談から見え隠れする他のコンパニオンバードたちの状況とのギャップに悩む事が増えました。更に、日本の鳥飼養業界はまだまだ未熟であり、日本で暮らす1羽でも多くのコンパニオンバードが幸せになるためには私達人間がもっと知識を得る必要があると感じ始めていた頃です。

国内には必要な情報がまだ無い時代でしたから、必然的に目は海外へ向かいました。いろいろ模索する中、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島で4年に1回Parrot Convention 国際オウム会議 が開催されていることを知りました。世界中から鳥の専門家が集まり研究発表、勉強会や交流会があるとの事。そこへ行けば何か新しい発見があるかも? ということで参加することに。

オウム会議では知らなかった事の発見の連続。素晴らしい出会いもありました。それよりもオウム会議からの帰路、TSUBASAの前身ともなったCAP!三芳町店の設計図を松本氏が一気に書き上げた事を此処に記さないといけません。
乗り換えのために立ち寄ったマドリッド。何かのイベントでホテルはどこも満室。かろうじて確保したホテルは古く部屋には窓もありませんでした。せっかくのマドリッド。疲れていた松本氏を残し外出した私(笑)。ホテルに戻ると興奮気味の松本氏に一枚の紙を見せられました。お世辞にも上手とは言えませんでしたが、CAP!新店舗のレイアウトが描かれていたのです。
そこには私達が今まで海外から得てきた情報と知識、日本で暮らすコンパニオンバードたちの環境を改善する策が全て詰め込まれていました。

鳥たちのためによりよい環境を目指してCAP!池袋店は移転。検疫スペース、クリニック、スタッフ、店舗・・全てが揃い、万全な体制で生体直輸入と販売が出来るようになりました。CAP!から鳥を迎い入れるお客様も増えて交流も活発になり、お悩み相談も益々増え、店舗にはお客様からの要望を受けてレスキューした鳥や問題行動でお客様が手放すことになった鳥たちが徐々に増えていきました。健康で元気な鳥たちを販売しても問題を抱えて手放される鳥やレスキュー依頼は減らず、なんとかして鳥業界を改善しようと試行錯誤しました。

試行錯誤する中、ガブリエル財団に出会った話しは (Part3)にて