WING YOUセミナー

知識の翼をあなたに・・・

月別: 2019年8月 Page 1 of 2

めっちゃ面白い!

めっちゃ面白い!

実際には・・

Wow! That’s quite interesting!

でしたが、私が昨年の国際オウム会議でお会いした方とお話をしていた時の一コマです。

こんな経験・仕事をしている日本人は絶対にいないだろうな~。
ほとんどが欧米人だからアジアの中でもかなりマイナーだよね。
きっと彼女の話を聞きたいと思う人が日本にも居るはず!

と思い、鳥爺・松本氏に紹介。すぐに「日本で講演してみませんか?」と声をかけたのが今回のセミナーで講演をしてくださるジェシカ・リーさんでした。彼女はシンガポールのジュロン・バードパークやナイトサファリ、シンガポール動物園の運営母体であるワイルドライフ・リザーブス・シンガポール で働いていますが、同団体が支援している東南アジアでのプロジェクトを担当しているため頻繁に東南アジアのジャングルに行っているそうです。

オウム会議でもブラジルやボリビアなどの現地で密猟者をエコガイドツアーに転職(!?)させる活動や絶滅危惧種の観察・保護をしている研究者の話しが必ず出てきますが、それと同じ事を東南アジアのジャングルでしているのがジェシカです。地球の反対側で行われているプロジェクトよりも、アジアという私達と同じ地域で活動している彼女に親近感と好感を覚えました。

「先週はインドネシアのジャングルへ行っていたのよ。
まずはシンガポールからジャカルタへ行き、
国内線に乗り換えて、到着後は車。
車でジャングルの近くの村まで行きボートに乗り換え・・・」

この導入部分を聞いただけでも(めっちゃ面白い!)ってなりませんか?

「ジャングルでは村人(=密猟者)に案内してもらい
野生の鳥のいる所に行って保護活動してます。
今回は彼らに病気の鳥をどう世話するかを教えてきたの。」

(確かに・・・獣医さんいないだろうから村人を頼るしかないよね。獣医師免許とか言っている場合じゃないか。)

「密猟者って言っても生活のためにやっているから・・。
彼らに鳥の保護者・世話人になってもらうために
エコツアーガイドとしての収入源を確保したり、
鳥や世話についての教育をしてるんです。」

と笑顔で話してくださいました。

そしてジェシカが紹介してくれたのが同僚であり友人であるアンジェリン・リム。ジュロン・バードパークで鳥の展示や絶滅危惧種の繁殖・世話チームのリーダーをしている方です。研修生からスタートし努力と鳥への愛情で正社員となりチームリーダーとなった所から彼女の熱意と努力を感じました。

ジュロン・バードパークの鳥の管理や絶滅危惧種の保護活動への貢献なども気になりますが、彼女自身の経験である絶滅危惧種の孵化・育雛管理についてのお話しは興味深いですよ。

日本でのセミナー講師を打診して調整していた時はワイルドライフ・リザーブス・シンガポールで働いていましたが、今は転職されて某クリニックマネージャーに。彼女宛のメールが戻ってきた時はかなり焦りましたが、ジェシカに確認すると「あ、転職したよ。先週。」と返事(笑)。すぐにメッセンジャーでコンタクトすると「そうそう。先週転職したのよ~。」とアンジェリン。一瞬びっくりしましたがよくよく考えるとシンガポールでは当たり前。私の前職でも一度会社を辞めたシンガポール人の同僚が2年後に戻ってきたり、入社初日で異常なまでに周りに溶け込んでいる同僚は実はチームの半分と前前職で一緒だったとか・・・日本の常識では考えられない程に流動的な仕事環境なんです。こういう海外のお国事情もわかって興味深いセミナーになるのでは?と密かに期待しています。


セミナーでは楽しく面白いお話しだけでなく、悲しく深刻な話も出てくると思います。でも一番の醍醐味は懇親会で直接質問したりお話が出来ること。人数が少なくなり、こぼれ話も出てくるかもしれません。

そして究極なのが東京での二次会。(京都はスケジュールの都合上、懇親会のみなんです。すみません!)この二次会はスタッフと講師2名との打ち上げにご参加頂けるというイメージです。ご多分に漏れず、鳥業界にも色々あるんです、裏事情(笑)聞きたい事があれば私が専属通訳として何でも聞いちゃいます。洗練された大人の空間で世界の鳥業界について語らう会・・一緒に飲みましょう!(といっても私はあまり飲めませんが・・・笑)

皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!

【重要】お振込時の記号について

本日(2019年8月25日)の20:00より、第一回WING YOUセミナーの申込みがスタートとなり、続々とお申込みを頂いております。誠にありがとうございます。

お申込み完了後に、申込後の流れ、料金振込口座やお振込時のお名前について説明している自動送信メールをお送りさせて頂いております。その内容に一部誤りがございましたので、下記に訂正させて頂きます。尚、現在(22:40以降)の自動送信メールに記載された内容は正しい内容となっております。
ご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。
この他にご不明点ございましたら「お問い合わせ」よりご連絡ください。

誤)・お振込されるお名前の前に「D」とご記入願います。
(「D」は京都会場でセミナー+懇親会です)

正)・お振込されるお名前の前に「D」とご記入願います。
(「D」は東京会場でセミナー+懇親会です)

<記号の説明>
「A」京都会場 セミナーのみ
「B」京都会場 セミナー+懇親会
「C」東京会場 セミナーのみ
「D」東京会場 セミナー+懇親会
「E」東京会場 セミナー+懇親会+二次会

WING YOUセミナー受付について

WING YOUセミナーの受付は

8月25日(日)20時スタート
先着順での受付

となっております。
ご興味のある方は下記ページより詳細をご確認ください。

鳥爺ブログ【速報!!】WING YOUセミナーの詳細・受付のご案内


尚、チケットの種類は複数あります。
詳細及び販売は下記のページからとなりますので、発売前に今一度ご確認頂ければ幸いです。


■京都会場■
11月30日(土)京都開催(セミナーのみ)
【募集:50名様、参加費:7,000円】
https://www.kokuchpro.com/event/191130wya/

11月30日(土)京都開催(セミナー+懇親会)
【募集:20名様、参加費:10,000円】
https://www.kokuchpro.com/event/191130wyb/

■東京会場■
12月1日(日)東京開催(セミナーのみ)
【募集:65名様、参加費:7,000円】
https://www.kokuchpro.com/event/191201wyc/

12月1日(日)東京開催(セミナー+懇親会)
【募集:30名様、参加費:10,000円】
https://www.kokuchpro.com/event/191201wyd/

12月1日(日)東京開催(セミナー+懇親会+二次会)
【募集:5名様、参加費:20,000円】
https://www.kokuchpro.com/event/191201wye/


第一回セミナー講師紹介

WING YOUセミナーの講師をご紹介します。

昨年(2018年)9月にスペインカナリア諸島のテネリフェ島で開催された国際オウム会議に参加しました。その会議で出会った女性2人です。この会議は4年に1回開催され、世界中から愛鳥家、獣医師、ブリーダー、メーカー、研究家など多くの方々が参加されます。今年はアメリカのAAV(鳥類獣医師協会)の年次総会が同時期に開催されたため、獣医師やアメリカからの参加が少なかった印象を受けました。

開催地のテネリフェ島には、オウム会議の主催者であるキースリング氏が創設した世界最大級のバード・パーク「ロロパーク」があります。テネリフェ島はヨーロッパのハワイと言われる事からもわかりますが、ヨーロッパのリゾート地であり観光客の多くがヨーロッパ人です。その中に「アジア系」の人がいると相当目立つわけです。自然と「どこから来ました?」の会話から始まり、お互い何をしているかなど4日間に色々話す機会がありました。
彼女たちの話を聞いていると、日本で同じ様な事をしている人は居ないのでは?と感じ、きっとこういう話しを聞きたい愛鳥家さんは多いだろう、と思いました。帰国後、鳥爺寺子屋でオウム会議の中でも反響の高かった講演内容をお話する機会を頂き、オウム会議での出来事や出会いを思い出しながら考えているうちに「あの話しを直接愛鳥家の皆さんに届けたい」という思いに変わり、出会った彼女たちに日本でのセミナー講師を打診しました。
前置きが長くなりましたが(汗)、記念すべき第一回の講師のお二人です!

Dr. ジェシカ・リー、アシスタント・ディレクター
保護&リサーチ、コンサベーション部門、研究&獣医サービス、
ワイルドライフ・リザーブス・シンガポール

ジュロンバードパーク、シンガポール動物園、ナイトサファリとリバーサファリの4つのワイルドライフパークの管理監督と研究の促進だけでなく、シンガポールの保護基金(WRSCF)を通して国内と東南アジア他の鳥類保護プロジェクトを取り纏めている。鳥に対する情熱が深く、保護活動中心の鳥類学者として経験を積む。特に、生物生態学と絶滅危惧種の環境管理に力を注ぎ、絶滅危惧種のアジアの鳥の保護計画、レスキューセンターのマネージメント、商取引、隠蔽種のゲノム評価などにも関わっている。IUCN SSC アジア・ソングバード・トレード・スペシャリストグループとオナガサイチョウ・ワーキンググループのコーディネーターでもある。


アンジェリン・リム
元ジュロンバードパーク・アシスタント・キュレーター

シンガポールのテマセク・ポリテクニックで獣医学学位取得後、豪州マードック大学で生物科学学位取得。動物看護士として獣医師の外科的手術の補助や術後の患者のケアを担当。ジュロンバードパークでの研修を機に鳥に惚れ込む。研修後にカンムリシロムク、ソデグロムクドリ、ヒムネバトなどの保全種の管理と繁殖に関わるだけでなく、ムクドリ、ハト、キジ、エボシドリの繁殖施設を同園に確立。その後、アシスタント・キュレーターとして鳥類の担当者チームを率い、ペンギンコースト、ウォーターフォールアヴィアリー、パロットパラダイスなどの展示を担当。同園のブリーディング&リサーチセンターの責任者として絶滅危惧種の孵化・育雛を管理。繁殖とオウム類、ハト目、スズメ目、キジ目の育雛が得意分野。ジュロンバードパークを退職後、2019年9月からオールペッツ&アクアライフクリニックマネージャーとしてクリニックの運営管理責任者に就任。プライベートではペットフィッシュ、デジタルアートを楽しみ、エナメルピン創作を趣味とする。




協賛の鳥爺松本壯志氏より

協賛の鳥爺こと松本壯志氏よりメッセージを頂きました!

海外のセミナー受講や施設等視察をするたびに日本とのギャップを感じます。鳥のお世話方法や尊い命を守ることが、国によってどうしてこんなに違うのでしょうか?もしかしたら日本は「カゴの鳥」状態なのかもしれない、と思うことが時々あります。

私自身も海外にいったときは、帰国後できるだけそのレポートをお伝えします。しかし、専門の人が来日して講演をしてくれたらとても素晴らしいと思いませんか?

過去にCAP!やTSUBASAセミナーのためにペッパーバーグ博士、ジュリー・ムラード(ガブリエル財団主宰)を始め、鳥獣医師や海外メーカーをお招きし、講演をしていただきました。とても大きな刺激を受けました。

当時、企画から運営、通訳までを一手に引き受けてくれた石山仁美と、またタッグを組み再開できたことはとても嬉しく思っています。

皆様もアジアを中心の第一線で活躍しているアンジェリアンとジェシカの講演を乞うご期待くださいね。また、このお二人の通訳をする石山仁美にもご注目いただけたらと思います。

壯志さんありがとうございます!
最後の「通訳にご注目」は要りませんが(笑)、セミナーの通訳は私が務めさせて頂きます。プロの同時通訳者ではありませんし、意外にシングリッシュ(シンガポール人が話す英語)は癖が強いんです(汗)他にも講演中に出てくる事が想定される数々の専門用語と鳥の名前。不安要素が沢山ですが、「セミナーに参加している」というよりも「お話会に参加している」と感じて頂けるような「講師と参加者の距離が近い」セミナーに出来たら良いなと思っています。実際に飼養されている飼い主さんの方が私よりも実践経験に基づく知識と情報が豊富ですから、講演中に私が皆さんに質問する場面もあるかもしれませんね。そんな時は「そんな事も知らないの?だめね~」と思いながら優しく教えて下さい。よろしくお願い致します!

WING YOUセミナーとは

WING YOUセミナーとは・・・

‘a Well of Information to Navigate and Grow’の頭文字を取ってWING。そして、WING YOUの YOU は「あなた」。

「YOU(あなた)を導き成長させる知識の泉」がWING・翼。

「知識の翼をあなたに・・・」という思いを込めて命名致しました。

日本ではあまり知られていない海外の最新情報やアイディア、日本の常識とは異なる海外の一般的な考え方などを紹介することで、日本の鳥業界と飼い主さんにより多くの選択肢を提示し、立ち止まって考えて頂く機会を提供できればと思っております。

お時間があればセミナーにお越しください。皆様に会えることを楽しみにしております。

WING YOUセミナー誕生秘話 (Part4)

WING YOUセミナー誕生秘話 (Part1)
WING YOUセミナー誕生秘話 (Part2)
WING YOUセミナー誕生秘話 (Part3)

TSUBASAを設立し、コンパニオンバードのレスキューや引取が本格化し始めましたが、並行して生体の直輸入と販売を続けていました。しかし、この相反する両輪を動かし続けることに矛盾を感じていた松本氏はある時「生体販売を止める」という大きな決断をします。かなり衝撃的でした。
この英断をガブリエル財団のジュリーは尊敬の念を持って絶賛していました。賛否両論ありましたが、TSUBASAを立ち上げたからには遅かれ早かれそうなることは予想していました。が、かなり早いタイミングでやってきた事にはビックリしました(笑)

生体販売をやめたCAP!はTSUBASAをサポートする立場となり、私は海外から講師を招いてのセミナーやイベントの交渉やコーディネートを一任されていました。「○○呼びたいんだけど」、「○○さん来てくれないかなあ」という松本氏のつぶやきならぬ司令からプロジェクトは動き出します。あのアイリーン・ペッパーバーグ博士を招聘した時もそんな軽いノリでの始まりでした。ユニークな名前の先生ね~、位に思っていた私の印象を変えたのは彼女の講演内容やプロジェクト詳細、アレックスの話しなどを本人から説明してもらった時です。(また凄い人に声かけちゃった・・・)
実際にお会いすると、メガネをちょこんと頭の上に乗せ、常にアレックスと彼女の研究について考えているとてもチャーミングな女性でした。

もちろん、ガブリエル財団のジュリー・ムラード女史にも講演してもらいました。ジュリーには会う度に私達の知らない鳥業界裏事情を教えてもらい、「え?そうなの?」「嘘でしょ?」の連続です。ネットに拡散している情報がいかに間違っているか、というのを何度も実感しました。

何か疑問があれば直接鳥獣医師に聞く、フードに関して不安があれば直接メーカーに聞く、問題行動に対するアドバイスが必要なら直接コンサルタントに聞く・・・日本と海外の鳥業界に関わって20年以上も経っている事から、世界中にアドバイスをもらえる相手が居るという恵まれた環境になっています。

恵まれた環境・・・それに気付くのに20年もかかりました(汗)。私が知り得た情報を欲しい!聞きたい!と思う人がもしかしたらいらっしゃるのでは?と思い、先日初めて国際オウム会議の発表内容をシェアする機会を得ました。反響は私の想像以上。海外では一般的な事も日本ではまだ知られていなかったり、未だに日本では実施されていなかったりと参加者の皆さんとの立ち話から私も気付きを頂くことができました。

情報は日々変わります。日本の常識は世界の非常識とも言われています。社会はどんどん多様化し、新しいアイティアが生まれています。そういう時代の中で、柔軟に新しい考え方や情報を取り入れ、選択肢を増やし、ご自身の鳥さんに対して何がベストな飼養方法、フード、エンリッチメント、健康促進なのかを考える事は大切だと思いませんか。私は色々な情報を皆様にお届けする役に徹し、愛鳥家の皆様に立ち止まって考えて頂く機会を提供できればと思っています。新しい出会い、新しい視点、新しい情報・・・どれもが飼い鳥の生活をより豊かにしてくれるはずです。

最後に、このWING YOUセミナープロジェクトを一緒に進めてくださる鳥爺・松本壯志さん。長きに渡り色々な経験をさせてくださりありがとうございました。アイディアに富、新しいことに挑戦し続け、周りをハラハラさせながらも最後には皆を充足感で満たし笑顔にさせてくださるその魔法を以前より盗みたいと思っていました。まだまだその魔法を習得するに至っていませんが、英語というツールを活かし壯志さんと一緒に新しい風を起こし、セミナーにご参加くださった皆さんが「知識の翼」を得て上昇気流に乗れるよう動いて行こうと思います。何卒宜しくお願いします。

最後までお読みくださりありがとうございました!
一人でも多くの皆さんにセミナーでお会い出来ることを楽しみしております。

2019年8月6日
オフィスCIS 石山仁美

WING YOU セミナー 第一回概要

テーマ:東南アジアの鳥たちの今

■開催日・場所
2019年11月30日(土)京都
場所:京都(平等寺因幡堂ホール)
京都府京都市下京区因幡堂町728

2019年12月1日(日)東京
場所:東京(IKE・Biz としま産業振興プラザ 大ホール)
東京都豊島区西池袋2-37-4

■時間
12:30 受付開始
13:00 セミナー開始
16:00 セミナー終了
人数限定の二次会(京都・東京)・三次会(東京のみ)あり 
詳細は参加者に別途連絡致します。

■セミナー内容
1)The Asian Bird Crisis – Conservation needs and the role of zoos.
アジアの鳥の危機:保護活動のニーズと動物園の役割
(ジェシカ・リー博士)

2)Common mistakes and misconceptions made by Pet Bird Owners
飼い主の一般的なミスと思い違い(繁殖、育雛、雛鳥、老鳥、ハンディキャップ鳥のケア)
(アンジェリン・リム氏)

■セミナー講師
アンジェリン・リム、アシスタント・キュレーター
ジュロンバードパーク
ジュロンバードパークでアシスタント・キュレーターとして、鳥類の担当者チームを率い、ペンギンコースト、ウォーターフォールアヴィアリー、パロットパラダイスなどの展示、ブリーディング&リサーチセンターを担当。カンムリシロムク、ソデグロムクドリ、ヒムネバトなどの保全種の管理と繁殖に関わった。更に、ムクドリ、ハト、キジ、エボシドリの繁殖施設を同園に確立。繁殖とオウム類、ハト目、スズメ目、キジ目の育雛が得意分野。2004年よりジュロンバードパークに勤務。

Dr. ジェシカ・リー、アシスタント・ディレクター
保護&リサーチ、コンサベーション部門、研究&獣医サービス
ワイルドライフ・リザーブス・シンガポール
ジュロンバードパーク、シンガポール動物園、ナイトサファリとリバーサファリの4つのワイルドライフパークの管理監督と研究の促進だけでなく、シンガポールの保護基金(WRSCF)を通して国内と東南アジア他の鳥類保護プロジェクトを取り纏めている。鳥に対する情熱が深く、保護活動中心の鳥類学者として経験を積む。特に、生物生態学と絶滅危惧種の環境管理に力を注ぎ、絶滅危惧種のアジアの鳥の保護計画、レスキューセンターのマネージメント、商取引、隠蔽種のゲノム評価などにも関わっている。IUCN SSC アジア・ソングバード・トレード・スペシャリストグループとオナガサイチョウ・ワーキンググループのコーディネーターでもある。



WING YOUセミナー誕生秘話 (Part3)

WING YOUセミナー誕生秘話 (Part1)
WING YOUセミナー誕生秘話 (Part2)

CAP!の試行錯誤が続く中、それを既に実現しているアメリカのガブリエル財団の存在を知ることになったのです。松本氏に連絡してみてと言われた私はいつもの軽い気持ちで連絡を入れました。 ガブリエル財団がアメリカのコンパニオンバードレスキューにおいてパイオニアであり唯一無二の組織であることは、ガブリエル財団の第一回目のシンポジウムに参加した時に知ることとなります。(そんな凄い人だと知っていたら尻込みして連絡できていなかったかもしれません・汗)

ガブリエル財団の主宰者であるジュリー・ムラード女史は二つ返事で私達の訪問を受け入れてくださり、第一回ガブリエル財団シンポジウムに招待してくださいました。ブリーダー、愛鳥家、メーカー、コンサルタント、トレーナーなどなど、垣根を越えて鳥の幸せのために集まった100名近くの参加者。今となっては有名ですが、この時はまだ無名・駆け出しであったコンサルタントさんなど、本当に錚々たるメンバーが集まっていたのを覚えています。ここでの出会いからまたネットワークが広がりました。

アメリカでの出会いとシンポジウムの内容で松本氏が長年感じていたモヤモヤが吹き飛んだようです。日本初となるコンパニオンバードレスキューセンターを設立する意志が固まりました。それからの私の業務はガブリエル財団の資料を全て熟読し翻訳。その資料を元に日本のコンパニオンバードレスキューセンターの骨組みを作って行きました。翻訳の日々の中、松本氏から「レスキューセンターの名前を考えて欲しい」という司令が。実は、CAP!という名前は私が考案したのです。(その時のストーリーは松本氏のブログにあります。こちら。)そんな過去があるのでまた私に・・・ということで、色々考えること数日間。松本氏にTSUBASAという名前を提案しました。(その時の話はこちら。)

少し詳しく説明すると、TSUBASAは「The Society for Unity with Birds – Adoption and Sanctuary in Asia」(=鳥と調和のとれる社会 – アジアの里親とサンクチュアリ)の略なのです。これを考え出すにはかなり知恵を絞ったのを覚えています。WING YOU セミナーも頭文字を取ったネーミングですし、CAP!もTSUBASAもそうです。つくづく才能がないなと思っております(笑)

TSUBASAの骨組みを構築して行く中で、何度もジュリーに質問し、その度に快く資料をくださり、惜しみなくアドバイスをしてくださいました。彼女のサポートがなければ、里親制度もMTBもなかったかもしれません。

ジュリーに第二回目のシンポジウムでの講演を打診され、(壯志さん、受けるのかな・・・受けるわけないか。外人相手だし♪)と高をくくっていた私の期待を見事に裏切り、松本氏も二つ返事で講演を引き受けてしまいました。 こうなったら私も腹をくくるしかありません。何度も打ち合わせと練習を重ね、アメリカのフロリダ州タンパで開催された第二回シンポジウムに臨みました。
私はただ、松本氏の講演を通訳しただけなのですが、彼の熱意や情熱を通訳を介してでも感じ取ってくださった皆さんは、目に涙をためながら、神妙にうなずきながら聞き入っていました。講演の最後のスタンディングオベーションはまさに鳥肌ものでした。何を隠そう、この講演が松本氏の長い講師歴の記念すべき第一回目なんですね。

ジュリー・ムラード女史とは今でも続く長い付き合いとなっていますが、肝っ玉母さんのような何でも受け止めてくれる存在は松本氏を初め私達の大きな力になっています。このお二方の通訳をしていていつも思うのですが、「言葉が無くてもこのお二人の心は完全に通じ合っている」と感じるのです。お互いの顔を見ただけで、その時の苦労や喜びが瞬時にわかり合える・・・同志なんですね。松本氏は英語ができませんし、ジュリーも「こんにちは」しかわかりませんから本当に不思議です。感動すら覚えます。

TSUBASAを設立し生体販売を中止するに至った経緯は次の Part4




WING YOUセミナー誕生秘話 (Part2)

WING YOUセミナー誕生秘話 (Part1)はこちら
WING YOUセミナー誕生秘話 (Part3)はこちら

CAP!の鳥専門店としての位置づけが色濃くなるにつれ、コンパニオンバードの鳴き声、毛引き、発情、自咬症、病気などに関する相談も多くなりました。無料相談の電話は鳴り止む事がなく、スタッフが交代で相談に乗る毎日が続きました。他のペットショップで悲惨な状況で店頭に立たされている鳥さんのレスキュー相談も頻繁に入るようになりました。

幸いにもDream Birdの取引先も順調に増え、優良ブリーダーや著名な鳥獣医師に出会うことが出来ました。これは生体販売をしていたCAP!にとって大変有意義であり、今までの常識や考えを一瞬にして覆してしまうような情報や知識を得ることに繋がりました。
そして、アメリカの優良ブリーダーさんを訪れる中で健康で精神的にも幸せで満たされた鳥たちを見るようになり生体の直輸入について真剣に考えるようになりました。もちろん直輸入には大きな壁がいくつもありましたから、それらを1つ1つクリアする必要がありました。何度も当時の経済通産省に足を運び、書類の書き方、必要な書類の確認、輸入許可書取得などの準備を行いました。
と同時に、ブリーダーさんに予防接種、性別検査、各種病気の検査などをお願いし、出生証明書を作成してもらい、鳥が問題なく輸送に耐えられるように一人餌になってからの発送をお願いしていました。私達が関わったブリーダーさんは皆さん「バードファースト」の方々ばかりでしたから、こちらの要望を理解し快諾してくださいました。

これら手続き、予防接種や性別検査などは利益を追求する企業であれば躊躇する事ばかり。それでもコスト度外視で「コンパニオンバードの幸せのために」出来る限りのことは何でもする松本氏の考えから、どれも外せない物ばかり。スタッフは高いレベルでの技術と責任感を求められましたが、当たり前の事を正しい方法で黙々としていました。私は事務方でしたので、そんな彼らの仕事ぶりを尊敬の眼差しで見ておりました。

直輸入した鳥たちを輸入許可書や出生証明書、予防接種証明書、健康診断書などを付けて販売。 鳥業界の事をよく知らなかった私は、それら書類を付けて生体を販売するのは「当たり前の事」と思い、全ての書類を準備しましたが実際はそうではなかったんですね。 当時の鳥業界に激震が走りました。今までの常識にCAP!と松本氏が真っ向から勝負した瞬間でした。しかしそれを理解してくださる愛鳥家さんも大勢いらっしゃり意識の高いCAP!ファンが増えて行ったのも事実です。

直輸入し販売した鳥たちは「素性」がわかっていますし(笑)、どんな環境で育てられ何を与えられていたのか全て把握出来ています。飼い主さんの元に行っても問題になる鳥は少なく、何かあった場合は直接ブリーダーさんに質問できましたら解決も早かったのを覚えています。
健康で飼い主と強い絆を築く事ができるコンパニオンバードは正しい育雛・飼養により可能であることが自信を持って伝えられるようになりましたが、日々増える健康相談や問題行動相談から見え隠れする他のコンパニオンバードたちの状況とのギャップに悩む事が増えました。更に、日本の鳥飼養業界はまだまだ未熟であり、日本で暮らす1羽でも多くのコンパニオンバードが幸せになるためには私達人間がもっと知識を得る必要があると感じ始めていた頃です。

国内には必要な情報がまだ無い時代でしたから、必然的に目は海外へ向かいました。いろいろ模索する中、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島で4年に1回Parrot Convention 国際オウム会議 が開催されていることを知りました。世界中から鳥の専門家が集まり研究発表、勉強会や交流会があるとの事。そこへ行けば何か新しい発見があるかも? ということで参加することに。

オウム会議では知らなかった事の発見の連続。素晴らしい出会いもありました。それよりもオウム会議からの帰路、TSUBASAの前身ともなったCAP!三芳町店の設計図を松本氏が一気に書き上げた事を此処に記さないといけません。
乗り換えのために立ち寄ったマドリッド。何かのイベントでホテルはどこも満室。かろうじて確保したホテルは古く部屋には窓もありませんでした。せっかくのマドリッド。疲れていた松本氏を残し外出した私(笑)。ホテルに戻ると興奮気味の松本氏に一枚の紙を見せられました。お世辞にも上手とは言えませんでしたが、CAP!新店舗のレイアウトが描かれていたのです。
そこには私達が今まで海外から得てきた情報と知識、日本で暮らすコンパニオンバードたちの環境を改善する策が全て詰め込まれていました。

鳥たちのためによりよい環境を目指してCAP!池袋店は移転。検疫スペース、クリニック、スタッフ、店舗・・全てが揃い、万全な体制で生体直輸入と販売が出来るようになりました。CAP!から鳥を迎い入れるお客様も増えて交流も活発になり、お悩み相談も益々増え、店舗にはお客様からの要望を受けてレスキューした鳥や問題行動でお客様が手放すことになった鳥たちが徐々に増えていきました。健康で元気な鳥たちを販売しても問題を抱えて手放される鳥やレスキュー依頼は減らず、なんとかして鳥業界を改善しようと試行錯誤しました。

試行錯誤する中、ガブリエル財団に出会った話しは (Part3)にて

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