WING YOUセミナー誕生秘話 (Part1)
WING YOUセミナー誕生秘話 (Part2)

CAP!の試行錯誤が続く中、それを既に実現しているアメリカのガブリエル財団の存在を知ることになったのです。松本氏に連絡してみてと言われた私はいつもの軽い気持ちで連絡を入れました。 ガブリエル財団がアメリカのコンパニオンバードレスキューにおいてパイオニアであり唯一無二の組織であることは、ガブリエル財団の第一回目のシンポジウムに参加した時に知ることとなります。(そんな凄い人だと知っていたら尻込みして連絡できていなかったかもしれません・汗)

ガブリエル財団の主宰者であるジュリー・ムラード女史は二つ返事で私達の訪問を受け入れてくださり、第一回ガブリエル財団シンポジウムに招待してくださいました。ブリーダー、愛鳥家、メーカー、コンサルタント、トレーナーなどなど、垣根を越えて鳥の幸せのために集まった100名近くの参加者。今となっては有名ですが、この時はまだ無名・駆け出しであったコンサルタントさんなど、本当に錚々たるメンバーが集まっていたのを覚えています。ここでの出会いからまたネットワークが広がりました。

アメリカでの出会いとシンポジウムの内容で松本氏が長年感じていたモヤモヤが吹き飛んだようです。日本初となるコンパニオンバードレスキューセンターを設立する意志が固まりました。それからの私の業務はガブリエル財団の資料を全て熟読し翻訳。その資料を元に日本のコンパニオンバードレスキューセンターの骨組みを作って行きました。翻訳の日々の中、松本氏から「レスキューセンターの名前を考えて欲しい」という司令が。実は、CAP!という名前は私が考案したのです。(その時のストーリーは松本氏のブログにあります。こちら。)そんな過去があるのでまた私に・・・ということで、色々考えること数日間。松本氏にTSUBASAという名前を提案しました。(その時の話はこちら。)

少し詳しく説明すると、TSUBASAは「The Society for Unity with Birds – Adoption and Sanctuary in Asia」(=鳥と調和のとれる社会 – アジアの里親とサンクチュアリ)の略なのです。これを考え出すにはかなり知恵を絞ったのを覚えています。WING YOU セミナーも頭文字を取ったネーミングですし、CAP!もTSUBASAもそうです。つくづく才能がないなと思っております(笑)

TSUBASAの骨組みを構築して行く中で、何度もジュリーに質問し、その度に快く資料をくださり、惜しみなくアドバイスをしてくださいました。彼女のサポートがなければ、里親制度もMTBもなかったかもしれません。

ジュリーに第二回目のシンポジウムでの講演を打診され、(壯志さん、受けるのかな・・・受けるわけないか。外人相手だし♪)と高をくくっていた私の期待を見事に裏切り、松本氏も二つ返事で講演を引き受けてしまいました。 こうなったら私も腹をくくるしかありません。何度も打ち合わせと練習を重ね、アメリカのフロリダ州タンパで開催された第二回シンポジウムに臨みました。
私はただ、松本氏の講演を通訳しただけなのですが、彼の熱意や情熱を通訳を介してでも感じ取ってくださった皆さんは、目に涙をためながら、神妙にうなずきながら聞き入っていました。講演の最後のスタンディングオベーションはまさに鳥肌ものでした。何を隠そう、この講演が松本氏の長い講師歴の記念すべき第一回目なんですね。

ジュリー・ムラード女史とは今でも続く長い付き合いとなっていますが、肝っ玉母さんのような何でも受け止めてくれる存在は松本氏を初め私達の大きな力になっています。このお二方の通訳をしていていつも思うのですが、「言葉が無くてもこのお二人の心は完全に通じ合っている」と感じるのです。お互いの顔を見ただけで、その時の苦労や喜びが瞬時にわかり合える・・・同志なんですね。松本氏は英語ができませんし、ジュリーも「こんにちは」しかわかりませんから本当に不思議です。感動すら覚えます。

TSUBASAを設立し生体販売を中止するに至った経緯は次の Part4